ちょと仕事が繁忙期に差し掛かったり何なりで、いつにも増して活動が鈍くなっております…
ゲームもしばらく触れておりません😢
長くお待たせしてしまっているので、次に更新予定(制作中)の小説の冒頭だけちょい出しし
てます。「夜の終わりまで」の続きです。ちょっとずつ進めてますが、着地点はまだ未定です…。続きから↓
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デバイスの電源は落としていた。こんな時に呼び出しなどかかったら興醒めどころの話じゃない…昨夜は仕事のことなどどうでも良いと本気で思っていた。
久しぶりの、アラームに邪魔をされない目覚めだった。
見覚えの薄い寝室の様相にハッとして、慌てて手探りで枕元を探す動作をすると「これか?」と低い声とともに、降ってきた端末が枕の上でぽすんと柔らかい音をたてた。
「よく寝てたから…起こしたほうが良かったか?」
クリスがいた。昨夜脱がした衣服が何事もなかったかのように身に纏われているのに落胆しないわけではなかったが、先に起きてそのまま自分を待っていてくれたことに少なからず感動しながら、レオンは探していた端末の通知も時間もろくに確認せずに「問題ない」と答えた。
「時間があるならゆっくりしてていいぞ。俺はもう出るが…」
「もしかして、おれが起きるのを待っててくれたのか?」
「ん?…まぁ…昨日の今日で、顔も見ずに帰るのも…どうかと思って…」
何か期待のこもったレオンの問いかけに、少し目線を外しだんだんと照れくさそうに言い淀むクリス。チェックアウトは11時までだからなとそそくさと立ち去ろうとしたが、裸のままベッドから出てきたレオンの腕がそれを阻んだ。
「おれがあんたの役に立てば、また会えるのか」
利用しているだけだと言うなら、もっとビジネスライクにしていれば良いのに、それができない男なのだ。きっと相手がレオンでなくてもそうなのだろう。だがそれが、あわよくばと思っている相手の執着を煽る結果になることをこの男はわかっているのだろうか。
ともかく、これきりにはしたくない。そう思っていることを、クリスに知っておいて欲しい。
「レオン、俺は…」
「昨日聞いた。身の程はわかってる。でも思うのは勝手だろ」
クリスはしばし逡巡した後、後ろから回されたレオンの腕をそっと解いた。逃げられる気配がなかったので、レオンもされるがままにしている。
正面に向き直ったクリスが今度はレオンの目をしっかりと見た。
「目的を、見失うなよ、レオン・ケネディ。お前は俺なんかにかまけてて良い男じゃないはずだ」
クリスがここで、明確に線引きしようとしているのがわかった。それなりのショックは受けたが、レオンも怯まない。
「俺たちの目的は同じだと、あんたが言った。国は関係ないと。なら何故一緒に歩むことができない?あんたはこれからもずっと1人で戦うつもりなのか」
「1人じゃない。ピアーズもケイも、他の仲間達もいる」
納得のいかないまま詰め寄るレオンを制するように、クリスは言葉を続ける。
「1人じゃなかった、ずっと、仲間たちがいた。…犠牲になった奴らはみんな、俺を支えてくれていた。俺を信じて、俺を生かした。だから、俺は、自分こそが正しいという顔をして、進むしかないんだ」
そこまで言って、クリスはハッと口を注ぐんだ。その言葉の意味を、レオンが噛み砕く前に背を向けた。
「…お前は俺が居なくても戦える」
「クリス!」
「話しすぎた。もう行く。お前と敵同士にならない事を祈ってるよ」
表情は見えない。だが優しい声色だった。そのまま振り返らずにクリスは出ていった。思わず伸ばした手を所在なさげに下ろしたレオンの、晒したままの肌が急に寒さを感じている。
(続く!)
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